『それ行け ちよさん 95歳!! そこ行く婆や、待ったしゃれ』
今日は読み聞かせた絵本ではなく、私が読んだ本をご紹介。
「それ行け ちよさん 95歳!! そこ行く婆や、待ったしゃれ」ちよ女
ちよさんの処女作は93歳に書いた『それ行け ちよさん 93歳!! 粗大ごみからの脱出』
その後、『それ行け ちよさん 94歳!! 私が小っちゃいだけなのよ』が続き、
そして今回、私が読んだ『それ行け ちよさん 95歳!! そこ行く婆や、待ったしゃれ』
『それ行け ちよさん 96歳!! おとぼけちよさん どこ行くの』と続き、
『それ行け ちよさん ありがとさん』が97歳の時に記されたもので、これがシリーズ最終巻となっています。
私は93歳と94歳に書かれたものを読まずに、いきなり95歳に書いた本を読んでしまったわけです。
読み始める前にタイトルだけで「多分とても元気なお婆さんのお話で、毎日畑仕事してます、元気の秘訣は青汁です、みたいな内容かな~」と、勝手にイメージを膨らませてから読み始めたんです。
そしたら、全くそんなことはない。確かにお元気で、頭もしっかりなさっているんですけど、第1章からちよさんが転倒してそれから全身が痛くて身も心も塞ぎこんでしまうんです。
「えぇっ!???ちよさん、大丈夫!?」と、心配でどんどんページを進めて読み進めていきました。
各章の終わりにちよさんの詠んだ短歌と川柳が記されているのですが、どの作品もとてもみずみずしいんです。あんな風に日常を切り取って31文字や17文字に残すことが出来たら、どうってことない毎日がもっと輝いて見えるんでしょうね~。(全く短歌や川柳の知識の無い私がそう書いてもあまり説得力がありませんが・・・)
最後の方にはちよさんの懺悔もあり、自分の中の醜い部分も包み隠さず読者にさらけ出す、ちよさんの勇気ある姿に、読んでいて心が洗われる思いでした。
私はちよさんの足元にも及びませんが、年を取ったなぁ~、と感じることは日常茶飯事。例えば、年々疲れが取れない体になって、上の子の時にはもっと頻繁に公園に連れて行ってあげていたはずなのに、下の子はテレビにお守りをさせてる機会が多くなったとか。でんぐり返しのお手本を見せてあげたはいいけど、その後、グルグルと目が回って吐き気を感じて、しばらく気持ち悪くなっちゃって動けなくなったりとか。
でも老いていくのは皆一緒。それならポジティブに楽しく年を重ねていきたいと思わせてくれた1冊でした。
機会があれば、93歳の時の本から最終巻の97歳の本まで読んでみたいと思います。93歳の時の本はもっと元気なちよさんにお会いできるのかもしれませんし。
でも、97歳以降は本が出ていないということは、残念ながら考えられることはただ1つですよね。悲しくなりそうで、読みたいような読みたくないような・・・ちょっと複雑な心境です。