ロサンゼルスの学校事情 幼稚園入学からの一年間で子供達はどのように英語を身に付けていくか
日本の小学校でも英語教育が本格的に始まりましたね。
一般的な公立小学校だと3年生くらいから英会話のクラスがあるとか。
幼少期から英会話教室に通わせたり、英語の通信教育を始めた、というご家庭も多いと思います。
では、ロサンゼルスの一般的な公立幼稚園ではどのように子供達に英語を教えているのか、娘の体験を通してリポートしていきたいと思います。
こちらの学校は8月中旬に始まり、6月中旬に終わります。
その他諸々の日本の学校との違いなどはこちらの記事をどうぞ。
では順を追って、子供たちが学んでいく内容をご紹介。
1.アルファベット
入学当初の8月、子供たちはまずアルファベットの大文字を勉強します。
9月、今度はアルファベットの小文字を習得していきます。
宿題もあるので、親も自分の子供がどこまで把握できているのか、分かります。
宿題の内容は「Aを赤で塗りなさい」など簡単なものですが、こういう問題を通して、色の名前も覚えていけます。
2.フォニックス
アルファベットが覚え終わると、今度はPhonics フォニックスに移ります。
日本語と英語の一番の違いは日本はひらがなを覚えれば「ねこ」が読め、その物の意味が分かります。
しかし英語は”Cat”をC(シー)、A(エイ)、T(ティー)とアルファベット通りに発音しても意味が通じません。「キャット」と発音しなくてはいけない、これがフォニックスです。
そこで幼稚園ではまず母音(AIUEO)のフォニックスを習います。
例えば”A”なら「エイ」と「ア」です。
そしてそれから子音です。
しかしこれがまた難しい。例えば”C"は”ク”という音になる時もあるし(例:Cookieクッキー)、”ス”(Spaceスペース)という音になる時もある。
でも不思議と子供たちは数をこなして行くうちに、判別がつくようになっていくようです。
3.Sight Words サイトワード
Sight Wordsサイトワードとは文の中で何度も出てくる重要な単語の事で、パッとその単語を見ただけで自然とその発音と意味が理解できているべきものの事です。
うちの娘の先生は120語のリストをくれました。
簡単なものでいうと、is, on, the, and, in, was, are, an, I, make, makes、難しい物であればbeing, give, use, please, once, read, goes, again, gives, looks, today, plays等々。
教え方こんな感じ。
1.”I make my bed everyday. I and my sister give some food to our cat.” などの短い文章が与えられます。
2.この文のなかのサイトワードを〇で囲んでいきます。(今回は赤で塗りますね)
”I make my bed everyday. I and my sister give some food to our cat.”
これを繰り返すうちに、例えば”make"は「マケ」と発音するのではなく、「メイク」と読むんだ、と子供たちは理解していきます。
3.I, make, and, giveを1週間くらい練習したら、もうそのサイトワードを〇付けたりする作業はしません。次の週には別のサイトワードがいくつか与えられ、それが多用されている文章を沢山読んで書いて練習します。
4.Rhyme韻
英語においてRhymeライム(韻)はとても重要です。
日本語のラップでもそうですが、韻を踏んでいると、スムーズでかっこいいだけでなく、言葉も覚えやすくなるんです。
例えばきらきら星の歌詞も韻を踏んでます。
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky.
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
starとare、 highとskyが韻を踏んでいるのが分かるでしょうか?
でもこれはちょっと難しい方の韻の踏み方。だって、スペルがかなり違う。
幼稚園レベルではそこまで難しいものはやりません。
もっとシンプルで分かりやすいもの、例えば、
big, dig, fig, pig, wig
などです。
この辺が幼稚園卒園レベル。
短い本なら読めるようになってきます。
そしてこれらをしっかり身に付けるために先生たちが子供達に沢山やらせること、それは
5.読書&書くこと
宿題の他に1日20分本を読みましょう、と言われます。本は絵本でも何でもOK。本は語彙力を養ってくれるので、とにかく沢山読むように勧められます。
そして、沢山文章を学校で書かされてました。
勿論、最初は文章を書ける子はそうそういません。
最初は穴埋め式から始めます。
例えば自己紹介文。
"My ____ is ________."
”My ____ are ________."
"My ________ is ________."
と3つくらい文章を作っていきます。
ここでポイントになるのは真ん中の文章だけ”are"になっていること。
先生はどんな単語を入れれば”are"になるのか説明をしたうえで、子供達に自由に描かせます。
因みに以下が娘の書いた文章。
"My hair is brown."
"My shoes are pink."
"My shirt is purple."
書くことで、スペル、文法、単語を学べる、正に一石二鳥ならぬ、一石三鳥です。
しかーし、幼稚園レベルに英語のスペルを完ぺきに描くのは難しい。
だって、英語って変なスペルの単語多いじゃないですか???
例えば"sight" "site"は両方とも「サイト」と発音する。っつーか、"gh"ってなんで発音しないの?って思いません?
大人の私ですら、苦手な単語があり、例えば"address"は未だにdがいくつでsがいくつ必要か書いてて迷います。
その為、子供がスペルを間違えても問題視しません。
「発音に近い音の文字を書いて、言いたいことを伝える」ことが重要視されます。
例えば卒園間近の5月31日に娘が書いた文章がこちら。
My fvroite season is spring decause I can pik flawrs.
あちらこちらに間違えがあるのをお判りいただけますでしょうか?(わかりやすいように間違えているところは赤字にしました)
本来ならこうなるはず。↓
My favorite season is spring because I can pick flowers.
でもいいんです。先生から細かく直されることはありません。
この文章の目標は
・文中でいつ大文字を使わなくてはいけないか
・単語と単語の間にスペースを入れているか
・句読点をきちんと使えているか
だったので、それらを達成できているので、先生はスペルミスには目をつむります。
それってすごく大事だと私は思いました。
だって、まだ生徒は5歳とか6歳。一度に全ての間違いを正そうとしたら、もう二度と文章をかきたくなくなりますよね。そんなの大人でも嫌になります。
一つ一つ段階をおって、少しずつ出来ることを増やしていく、それなら生徒たちもやる気を失わずに、自信をつけていけますよね。
いかがでしたでしょうか?
今はYoutubeなどでフォニックスや韻のお勉強動画や、英語の読み聞かせ動画を簡単に見ることができます。
日本でもこの順で少しずつ進めていけば、ご自宅でも英語を身につけることが可能だと思います。
参考になれば幸いです。
また何かの機会に英語習得に役立つお勧め動画や絵本なんかも紹介していきたいと思います。
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